子どもの頃はお正月の一番の楽しみはお年玉でした。
ですが大人になり、自分があげる立場になると少し複雑な気持ちになりますよね。
そろそろお年玉の用意を始めておこうと思った時、ふと沸いてきた疑問。
「ポチ袋って何?犬の名前みたいだけど…」と思って調べてみました。
そしたら、ありがた〜い由来から、ちょっとうふふな由来まで色々わかったので紹介したいと思います。
目次
お年玉の由来は?
正統派な感じのお年玉の由来
お年玉はお正月に神棚に供えていた餅の玉を降ろして家族に分けたことに由来します。
歳神(としがみ)様から賜る(たまわる)で、「としたま」が語源であるというのが一般的のようです。
「たま」は魂のたまとも言われ、神様の力が宿ったものという解釈もあります。
でも少々、強引な気もしますね。
室町時代には、目上の人から下の者へ色々な贈り物をする習慣があり、今のお年玉の形ができていました。
お金だけでなく、刀や扇子、薬などが贈られていたそうです。
また、玉という言葉には神様や天皇に関わるものに使われる高貴な言葉で、玉座、玉音と幾つかあるように、年始のおめでたい贈り物に「玉」という字が使われるのは納得ですね。
花柳界起源のお年玉の由来
それとはまったく真逆の世界のような花柳界でも、玉という言葉は使われていました。
芸妓や舞妓は玉と呼ばれる事があり、お座敷や外出のお供に来てもらう手間賃を玉代と言いました。
特に京都では芸を披露してもらった時のお祝儀と玉代は区別されています。
そして、現金のまま渡すよりも袋に包んで「少しだけど気持ち」として渡すのが粋だったようです
その包みもただの半紙よりも相手が喜んでくれそうな絵柄なものが人気になり、発展していったのは想像できますよね。
一般家庭でも、お金を少袋に入れてお年玉を渡すようになったのも不思議ではありません。
では、どうしてお年玉の袋がポチ袋と呼ばれるのでしょうか。
お年玉のポチ袋の由来は?
ポチ袋は、ほんの気持ち程度のお金を入れる袋のことです。
関西の「少し」という意味のこれっぽっち、という言葉の語尾からきているそうです。
また、お馴染みのフレーズ、「儲かりまっか?」「ぼちぼちでんなぁ」の「ぼち」という説もあります。
でも、最初に述べていたようにポチ袋って犬の名前みたいと思った人も多いかと思います。
「ポチ」の由来
話は脱線しますが、犬の名前といえばポチという時代がありました。
それは日本人がまだ個別に犬を飼う習慣がなかった江戸時代、町に住む犬は見た目の特徴からシロなどと呼ばれていました。
そして、まだ日本人が外国人と上手く通訳できなかったせいもあり斑点のある犬を「ぶち」と呼んだのがポチになったとされ、犬はポチになったというのです。
記録では明治時代には飼い犬が盛んになり、ポチが一番人気の名前だった記述があります。
それとは別にフランス語で小さい物を表す「プチ」が語源という説もあります。
話を戻します。
話を戻してポチ袋の由来
これは推測ですが、当時人気だった犬が祝儀袋に描かれる事もあったでしょうし、それをポチ袋と呼んだ可能性も考えられますよね。
また、これも無いとは言えませんが上品なのか下品なのか微妙なお話。
例えば、お気に入りの舞妓さんに玉代を渡した時に
「この可愛らしい袋の名前は何と言うんどす?」と聞かれたら、惚れている旦那が「それは玉…袋」とは言いにくいはずです。
ですから、呼び名を、「犬と言えばポチ、猫と言えばタマ」がポピュラーでしたから、二つをすり替えて「ポチ袋」と言ったとか。
由来は何であれ、「おとしだまぶくろ」と呼ぶのは少し長いですし、日本人は短くして呼びたがるのでポチ袋の方が言いやすいですよね。
いろいろなデザインのポチ袋
ポチ袋はカワイイのやおもしろいデザインなのがたくさんあります。
最近では、自分で作れるポチ袋も多く紹介されています。
特に女の子や折り紙好きな子どもさんには喜ばれそうですね。
ポチ袋の使い方
ポチ袋の使い方にも、少し決まりがあります。
お札に折り目が4本つくのは死を連想する数字なので避けた方が良いとされます。
いくら包むかは決まりはありませんが、世間の相場はあるようなので参考にされると悩まずに済むかもしれません。
一番いい方法は、ざっくばらんな関係であれば相手の親と談合するのが平和的ですね。
まとめ
お年玉をあげるようになると一人前になったという実感が湧きますよね。
渡した時の喜んでくれる子どもの姿を見ると昔の自分を思い出します。
父は毎年のように、「おまえにお金を落としてやるから、おとし玉って言うんだぞ!」と、言っていました。
今回調べてみて、あれは父のただのボヤキだったんだと分かりました。
父の気持ちが少し理解できる立場になったので、来年は父にお年玉をあげてみようと思います。
そして、同じセリフを言ったら父がどんな顔をするか見てみたいです。
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